読書

『スターバックス成功物語』を読んで

『スターバックス成功物語』(日経BP社)を読んで、会社を経営する上で役に立ちそうなことが多数載っていたので、印象に残った文を残しておきます。

この本は、スターバックス創設者のハワード・シュルツの著書で、当時本場のイタリア製コーヒーが流行っていなかったアメリカに、いかにそれを持ち込んで事業を拡大していったかが述べられています。

ハワード・シュルツは元々裕福だったわけではなく、日本でいういわゆる集合団地のようなところに住んでいたそうです。

そのため、他の子供からバカにされ、嫌な思いをしたこともたくさんあったといいます。

そんな彼のサクセスストーリーからは、大きな勇気をもらうことができました。

 

顧客の求めているものだけを提供してもダメ

 

第二に、顧客の要求するものを提供するだけでは駄目なのだ。顧客の知らない物や最高級品を提供
すれば、顧客の味覚が磨かれるまで多少時間はかかるかもしれない。だが、顧客に発見の喜びと興奮
を与え、ロイヤリティを確立することができるのだ。優れた商品を提供しさえすれば、たとえ時間は
かかっても顧客は必ずそれを選択するようになる。大衆市場に媚びる必要はないのだ。

顧客が求めているもの+αを提供することが、最高の顧客体験に繋がる。

そのためには、サービスを提供する側が顧客のニーズを十分に理解するのはもちろん、自分が本当に提供したいものは何なのか、商品の本当の良さを理解しておくことが不可欠。

 

先見性・ビジョンの重要性

 

ビジョンとは、ほかの人たちに見えないものを見る能力だ

 

ニューメキシコのサンタフェで経営コンサルタントを営むチャールズ・ド・スミスは一九九一年に、
ビジョンを持つ経営者をこの有名な魔法使いマーリンに例えて次のように述べている。「優秀な経営
先在とは全く異なる未来からの使者マーリンのように行動する習慣を身に付け、企業の
いて画期的なビジョンを吹き込む」。

経営者には先見性が大切だということ。

加えて、人が潜在的に何に悩んでいるのかや、何を求めているのかを察知できることが大切だということも、この言葉には含まれている気がします。

この先見性という言葉には、自分が将来どんな社会を作りたいのかや、顧客にどういう体験をして欲しいのか、いわゆるビジョンまで含まれていると感じます。

 

実行力と計画性

 

幸運とは計画の副産物だ
だれかが勇気ある決断をしなければ、
どんな事業も成功しないだろう。
―ピーター・ドラッカー

 

自分にできること、あるいは夢に思い描いていることは、すべて実行に移すことだ。
大胆であれば、非凡な能力と不思議な力を発揮できる。

 

ほの大小に関わらず何か新たな事業を興す場合には、予想した以上に時間と金がか。
頭にたたき込んでおかなければならない。事業計画が大がかりなものであれば、たとえ事
ていても、一時的に利益以上の額を投資に回さざるを得ないことを覚悟しておくべ
な経営専門家を雇い入れ、現在必要とされる以上の生産設備を整えるとともに、利
れを乗り切る経営戦略を明確化すれば、企業を急速に成長させる体制が整ったも同然だ

 

「起業家の発想で事業を運営するのは難しい」。オーリン・スミスは、このことを私にたたき込ん
ロマンとビジョンのない企業には魂も精神も宿らず、何か素晴らしい事を成し遂げようという社員
の意依をかき立てることはできない。だが、成功した企業もとっぴなアイデアだけでは長続きしない。
ビジネスの世界では、夢想家たちは指導者になれずに失敗してきた。運営能力を欠いていたからだ。
利造的なアイデアを実行に移し、起業家の描くビジョンを具体化する前に、事業を推進する手順、シ
ステム、規律、能率などを勘案して基盤を固めておかなければならない。

 

良い事業・会社を作るには、勢いだけでなく、長期的な計画を立てることが大切です。

計画を立てた上で大胆に行動すること。

自分の場合、とりあえず実行して行き当たりばったり課題を解決していくスタイルでしたが、今後は先の見通しをある程度建てた上で、実行に移していこうと思いました。

果敢に挑戦するアントレプレナーシップを持つのはもちろん大切ですが、一歩引いて冷静に計画を立てることのできる能力も非常に大切だということです。

 

時代の流れに乗れるように準備しておくこと

 

成功の要素にはタイミングとチャンスがある。しかし、本当は自分自身でチャンスをつくり出し、
ほかの人たちに見えない大きなチャンスが見えたときはは、いつでも飛びつけるように準備をしてお
くべきなのだ。

 

時代の流れに乗ることも大切です。

そして、チャンスが来たらすぐに行動できるように、ある程度の余裕を常に持っておくこと。

 

「メンター」と「パートナー」を見つけよう

 

会社を組織してみれば、自分一人では何もできないことがすぐわかる。心から信頼できる協力者、
自分とは違う能力を持ち、価値観が同じ人物を発見できれば、さらに強力な企業を築くことができる。
デイブはキリマンジャロの高原を訪れて元気になり、私はバスケットボールの試合に興奮して活気づ
く。デイブは香り高いサレウェジ産のコーヒーにうっとりする。私は会社の未来のために全力を尽く
し、多くの人たちの意欲を引き出すことができる。

 

次のことを忘れてはならない。一人だけで目的を達成しても決して心は満たされない。チームでレ
抜いてこそ、大きな喜びと報酬を分かち合うことができるのだ。喚声を上げる
られるだけでなく、共に勝利した多くの同志と一緒に喜び合いたい。だれもがそう願うはずである。
一人の人間の努力ではなく、多くの人々の力を結集して獲得した勝利の意義は大きい。参加した
人々すべてが心をこめて達成した成果。そこに自分たちだけでなく人々といつまでも分かち合える喜
びがわき上がるのだ。
人々と共に獲得する成功ほどうれしいものはない。

 

新しい事業を始めたときには、発足時の決断が事業の推進だけでなく会社の将来にいかに重要な影
響を及ぼすかは、わからない。どの決断が大事な基盤になるのか知ることはできないのだ。いずれの
決断も時間が経つほど重要度を増してくるが、それは後になってみなければわからない。
会社の草創期にどのようなシグナルを送り、いかなる価値観を植え付けるかという問題を決して軽
んじてはならない。パートナーと組むときも社員を採用するときも、あなたと同じ情熱、意欲、目標
を持つ人物を選ぶことが必要だ。そういう人たちと一緒に目標を追求すれば大きな力を発揮できる。

 

会社を成功させるには、同じ志を持つ優秀なパートナー、そして仲間が必要です。

成功した時を考えて自分の取り分が多くなるよう、なんでも1人で始めようとしても、できることは限られています。

しばしば、会社は経営者の器以上には大きくならないということを耳にしますが、その通りだと思います。

経営者がリスクを取り、志を共有することではじめて仲間がついてきてくれて、大きなことができるんだと思います。

 

すべての起業家に対して、次のように忠告したい。あなたのやりたいことがはっきりしたら、同じ
ことをやった経験のある人物を見つけることだ。単に経営者としての才に恵まれた人間でなく、あな
くれる経験豊かな起業家や実業家を探さなければならない。彼らは地雷原に埋めらし
もつけだす術を心得ているのだ。大胆に考え行動し、その結果成功した経験を持つ人
たが同じことを手がけようとするときに助けてくれる。あなたの価値観と熱意に共鳴し、惜しみなく
助言する人物は、あなたが苦しむ時には支えとなり、成功した時には自分のことのように喜んでくれる。
私は少年時代、青年時代を通じて、このような助言者には巡り会えなかった。助言者があなたに気
がつかなかったら、あなたの方からそういう助言者が見つかるまで探し続けることだ。良き助言者の
前では、弱さをさらけ出すことを恐れてはならない。知らないことは知らないと正直に言おう。自分
の弱さを認め助言を求めるとき、驚くほど大きな支えになってもらえるのだ。

 

多くの起業家が同じ過ちを犯している。起業家はアイデアを胸に秘め、その実現に情効
デアの実現に必要となるあらゆる技能を身につけることはできないだろう。彼ら
渋り、自分に追随する者だけを周囲に待らせるようになる。頭脳明晰で有為な人材を上接
として迎えることを恐れているのだ。
し、会社が繁栄するためには、何としても聡明な経営陣が必要なのである。有能で創
、イエスマンよりもはるかに強い刺激を与えてくれる。自分より物事を知らない人間に
べるというのだ。彼らは自尊心を満足させてくれるし、指示にも素直に従うだろう。だが、成長の支
えにはならないのだ。

 

1人でやろうとせず、「メンター」を見つけましょう。

自分自身もまだメンターには巡り会えていません。

しかし、事業で成功した人を見ていると、必ず「パートナー」と「メンター」がいます。

事業を考えたり作ったりする以上に、色々な人とあって話すということは大切なのです。

 

夢は大きく、大胆に!

 

立派な企業をつくり上げるためには、大きな夢を描く勇気が必要だ。小さな夢を持てば、小さなこ
とはやれるかもしれない。たいていの人はそれで満足している。だが、広い範囲に影響を及ぼし、永
続的な価値を生み出すには大胆にならなければならない。
だれが、やすやすと実現できるような夢を持ちたいなどと思うだろう。

 

周囲からそんなことできるはずがないと思われても、自分にはできると夢を持ち続けることが大切だと著者は語っています。

人間は歳を重ねるにつれて、現実的な夢しか持たなくなる傾向があると思います。

この言葉を聞いて、今の自分もそうなっていると感じました。

毎日同じような生活をしていると、夢を忘れてしまうからです。

失敗を恐れず、学生時代に持っていた大きな夢にもう一度チャレンジしてみようと学びました。

 

顧客が本当に求めているものを把握する洞察力

 

二十代の若者は、社会学者たちよりも早くからこのことに気づいていた。ティーンエージャーの頃
は、安心してたむろすることのできる場所といえば商店街ぐらいのものだ。それから少し大人になる
と、バーは仲間と楽しむにはうるさすぎて、しかも危険だと思う者が出てくる。そこで、喫茶店やコ
ーヒー・スタンドに通いはじめるようになるのだ。音楽が流れていても会話の妨げにはならない。照
明も整い十分に明るい。身分証明書の提示を求められることもない。酔っぱらいもいない。映画や娯
楽施設に出かける前にスターバックスに立ち寄る人たちもいれば、店で話をするのが目的で集まる人
たちもいる。

 

顧客が何を求めているのか、ハワー・シュルツの鋭い洞察力がこの記述からも感じ取ることができます。

「顧客の求めているものを提供するのが大切だ」としばしば言われますが、そのためには顧客とどれだけの時間をかけて直に接していくのかが大切なのだと思います。

 

考えない人の方が成功する

 

ビンセント・イーデスが好んで使う例がある。「航空力学の法則に基づいて蝶を調べると、こんなも
のがルべるはずはないという結論になる。だが当の蝶はそんなことは知らない。だから飛べるのだ」。
スクーバックスもこれと同じで、できるはずがないなどとは考えもせずにいろいろなことを行ってい

 

できない理由を探す前に、とりあえずやってみるのが大切です。

前述のように計画を立てるのも大切ですが、自分1人で難しいところが出てきたら、自分より優秀な協力者を見つけてチームで乗り越えるべきということです。

経営者が勉強できるかどうかは関係なく、むしろ知性が高いほど物事を難しく考えて、できない理由を探して何も行動せずに終わることが多いと思います。

 

計画、仲間、実行

 

本書を読む以前は、とにかく思いついたことをただ実行する、いわゆる「行動力だけある人」みたいな部分が自分にありました。

しかし、本書から、

計画を立てる↓躓きそうな部分を把握する

「パートナー」と「メンター」を見つける

実行してトライ&エラーする

 

このサイクルで動くことの重要性を学びました。

そのためには、まずたくさんの人と会って、たくさん学ぶことです。

今後の仕事や事業経営に活かしていきたいものです。

 

 

 

 

 

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