刻一刻と円安が進んでおり、もっと早いうちにドルで資産運用をしておけば良かったと感じている医師・医学生は多いでしょう。
日本がこれからさらに後進国になっていくと、円の価値はもっと落ちるかもしれません。
しかし、医師・医学生であれば、資格をとって海外に行き、ドルで貯金をすることができます。
その方法が、皆さんご存知の「USMLE(アメリカ合衆国医師免許試験)」です。
自分は大学4年でCBTが終わってから時間があったので、
成績は以下のとおりです。
現在、STEP1を受験すると、成績はPASS(合格)もしくはFAIL(不合格)で判定されますが、当時はスコアも出ました。
231点と言うのは、アメリカ人医学生の平均的なスコアです。
これから受験を考えている人で、このような疑問を持つ方は少なくありません。
そこで、受験した経験を踏まえて、USMLEを受験して良かったこと、悪かったこと、そして最後に具体的な勉強法を紹介します。
USMLEを受験して良かったこと
①マッチングで少しだけ有利になる
マッチングというのは、医者の就活です。
簡単にいうと、自分が研修したい病院に面接や筆記試験を受けに行き、双方の希望が合えば就職することができます。
就活の時には履歴書を提出しますが、履歴書に「USMLE取得」とあると、
と思ってもらえます。(都内の有名病院とかだと、USMLE STEP1くらいなら持っている人が多いので、その限りではない。)
自分の場合はそこまで有名ではない病院を受験したので、受験者の中でUSMLEを持っていた人はいなかったらしく、少し評価してもらえました。
②なんか、かっこよく「見える」
ご存知の方も多いかと思いますが、USMLEはSTEP1、STEP2CK、STEP2CS、STEP3の四つの試験があり、全て通らないとアメリカで臨床をやることはできません。
しかし、そんなことは受験者は皆んな承知でも、合コンとかになると、
なんていう、調子の乗ったことが言えるようになります。
決して嘘ではないので、セーフとしましょう。
異論は認めません。
しかし、医師というだけでそこそこプラス点数なのに、
アメリカの医師免許まで「いちおう」持っていると話すと、これがかなり有効だったりするのです。
これからUSMLEを受験する医学生は、特に覚えておくと良いでしょう。
自分が勉強を始めた理由の一つにも、このセリフを行ってみたいというのがありました。
③将来アメリカ行きたくなった時に、基礎医学を勉強せずに済む
こちらは真面目な話です。
日本はこれから高齢人口も減少し始め、さらに保険点数も削られていくことが濃厚なので、医者の待遇は悪くなることがほぼ確実です。
そこで、医者が生き残っていく方法としては、個人的に、
・自由診療を組み入れる、あるいは自由診療にフルコミットする
の二つが挙げられると思うのですが、第3の選択肢として、アメリカに行く、というのも持っておくといいと思っています。
実際にアメリカで臨床をされている先生の話を聞くに、
アメリカの医師は労働環境も日本と比較していいみたいですし、
何より「ドルで貯金ができる」というのは魅力的なのではないでしょうか?
しかし、医師免許を取ってからUSMLE STEP1から勉強し始めるのは、
相当大変です。
なぜなら、STEP1の内容は主に医学部で勉強する基礎医学の内容が中心だからです。
卒後数年経つとおそらく大多数の人はすっかり忘れてしまうでしょう。
なので、少しでも興味があるなら、学生のうち、あるいは初期研修のうちに、できるだけ早くSTEP1だけでも取っておくといいでしょう。
USMLEのデメリット
ここからはUSMLEを勉強する悪い面についても書きます。
①とにかく時間とお金がかかる
USMLE STEP1ですが、
東大の医学部の先輩で本当に優秀な先輩は、3ヶ月で取得されていました。
しかし、そんな異次元の人は置いといて、一般にUSMLE STEP1は、
勉強期間が半年から一年かかります。
自分の場合も、途中で勉強挫折したりしたので、
少しダラダラ勉強してしまい、約一年かかりました。
また、時間がかかるだけでなく、お金もかかります。
模試のお金やオンライン問題集、
さらに受験料で、合計20~30万円はかかります。
なのでやるなら、時間とお金を結構消費するという、
かなりの覚悟を持ってやった方がいいと思います。
もちろん、頑張った分だけ知識は身に付きます。
実際、自分もUSMLE STEP1を受験した後に、日本の医師国家試験の勉強を始めましたが、
USMLEの勉強で医学の基礎が固まっていたので、
国家試験の勉強でそこまで苦労することはありませんでした。
②日本で臨床やるだけなら、そこまで役に立たない
大学生時代にアメリカで医者をやりたいと思っていても、
実際に初期研修で病院で働いてみると、
進路が変わる人が多いです。
実際、自分の場合も、大学生時代は、
と意気込んでいました。
しかし、アメリカで専門医を取るには、
日本で初期研修を終えた後、さらにアメリカで3年間のレジデント(日本でいう初期研修)
をこなさなければいけません。
やっとのこと、奴隷のような初期研修を終えた後に、少しはいい生活ができるのかと思っていたら、
アメリカに行くとなると、
このような感じになってしまいます。
もちろん、初期研修終了後すぐにアメリカに行かなくも、
日本で専門医を取ってから海外に行くという意味では、
取っておくに越したことはないのではないかと思います。
留学はそれからでも遅くはない!
生き方は人それぞれです。
自分の満足のいく医者人生を歩めばいいと思います。
USMLE STEP1に無理なく合格できる勉強法
最後に、自分がUSMLE STEP1に合格した勉強法を紹介したいと思います。
CBT終了後、一年かけてやった方法なので、割と再現性は高いのではないかと思います。
参考にするといいブログ
USMLEの勉強法に関しては、こちらのブログに必要なことはほとんど書いてあります。
実際に勉強を始める前に、このブログを熟読して、
何をするべきかをまず明確にしてから動き出すといいでしょう。
First Aidは読んではいけない
USMLE STEP1にはFirst Aidという、いわば教科書的な参考書があります。
https://www.amazon.co.jp/First-Aid-USMLE-Step-2022/dp/1264285264
この教科書に書いてあることを全て覚えられば、まず合格は間違い無いですが、
1ページ目から読むのは、ほぼ確実に挫折するのでやめましょう。
まずは、問題集を解き進めていって、わからないところをFirst Aidで調べるという戦略をとるのが賢明です。
つまり、First Aidは辞書として使うのです。
使用する問題集ですが、こちら一冊(オンライン問題集)をやり込めば合格できます。
https://www.uworld.com/
問題集の使い方や模試の受験方法や、先ほど挙げたブログに詳細があるので、参考にしてみるといいでしょう。
疑問点などはTwitter(https://twitter.com/kei_resident)のDMでお答えしますので、何か質問があればこちらまでどうぞ。